イチロー

イチローの運命

彼は天才? それとも努力の人? あるいは発明王エジソンの言うところの「99パーセントの努力と1パーセントのひらめき」の人?

彼のホロスコープ(出生時天体配置図)を見ると面白いですよ。まず牡牛座に火星が。彼の運動神経が「天性」のものであることを物語っています。しかしそれだけで世界のイチローが出来上がるはずはないのです。

占星術用語になりますが、社会的な個性を示すMC(天頂)からは「神経の細やかさ」と優れた「自己管理能力」と更に「周囲に依存せず自力で鍛える」という質が読み取れるのです。

生まれつきの個性を示すASc(アセンダント)では、結構無神経で戦闘的なスポーツを好む傾向が強いのですが、MCと矛盾しますね。時によって場面によって、彼の見せる表情が変わってきていることは周知の事実です。

他の天体の配置が複雑で、彼自身の心と行動も自身で混乱傾向があったに違いありません。孤高の雰囲気が顕著だった時期と、寛容さ・陽気さでごく自然にチームに溶け込んでいた時期。

生まれてから社会の頂点に登りつめるまでの間、天性の能力(天才)と類まれな自己管理能力、それを統合して現在のイチローになるまでには、時間の経過を待たねばなりませんでした。

結論・・・・イチローは確かに天才ですが、それは50パーセント。あとの50パーセントは素晴らしい自己管理能力による努力の人なのです。50:50の比率。努力が99であろうと50であろうと、「ひらめき(運)」を引き寄せるのは、努力している時のその人の脳が生み出すアルファ波であることは間違いないでしょう。

因みに、このエジソンの名言は「1%のひらめきがあれば99パーセント の無駄な努力をしなくてもよい」がエジソンの本意だそうですが・・・。夢がなくなりますね。

イチローの健康管理は有名な話だが、出身校である愛工大名電の同窓である工藤公康に関しての逸話も非常に面白い。

工藤は入学当初、非常に体の線が細く、高校野球の投手として試合を投げ切るだけの体力が無かった。そこでイチローの恩師でもあり、当時監督だった中村豪は、野球部の寮から学校までの10キロメートル余りの距離を毎日ランニングで通学するように命じた。

当時の野球部は郊外に専用グランドを持ち、学校までは専用バスでの送り迎えがあった。

工藤はその言いつけをぐっちょくに守り、毎日毎日走り続けた。ある日監督である中村が載っているバスが、信号に止まった際に、ふと目をやると、言いつけを守り続けて走っている工藤を見かけた。

中村は走れと言った事すら忘れていおり、グランドに到着した工藤をあわてて呼びつけ、マウンドに立たせボールを投げるよう命じた。

そこで放たれたボールは、凄まじい切れ味で弧を描き、ミットに吸い込まれた。これが後にプロになって工藤の代名詞とされるカーブが生まれた瞬間だった。「走れ」と言われてから一年半もの歳月が流れていた。

その後の工藤は衆知のようにカーブを武器に、甲子園春の大会でベスト4。実業団入りを撤回して入団した西武ライオンズでエースに上り詰めた。